何故、ホストの代表になったか
- SHOTA ISHIBASHI
- 2019年5月17日
- 読了時間: 4分
ボクは12年間という長い間ホストを経験しました。
No.1も経験して、代表も経験させてもらいました。
仕事はすごく楽しかったです。
いつも楽しくお酒を飲みながら、ナンバーが上下することに一喜一憂したり、毎月毎月が勝負だったのでドラマも多く生まれましたし、ボクはこの仕事が大好きでした。
ただ、やっぱり不安ってあるんですよ。
「いつまでも続けられる仕事じゃないよな…。」
多くの売れっ子ホスト君は売れてくると当然自分の店を持ちたくなります。
ボクが尊敬していたホストの人たちもひとり、またひとりと独立していきました。
でもこれが驚きだった。
誰一人と言って過言では無いレベルで数年もせず名前を聞かなくなった。
街を歩けば指をさされるレベルのカリスマホストでさえ、気付けば認知度が下がっていくのがこの商売の怖いところ。
当の本人は武勇伝のように過去の功績をたたえるのに必死。
そんな尊敬していたホストを見るのは少しツラかった。
この頃から『No1プレイヤーがNo1経営者になるわけじゃないんだな』
と何となく察していた。
『何かが足りない』
その何かは、決して従業員としてでは身につかない。
そう感じるようになったんです。
ボクのホスト人生は順風満帆ではありませんでした。
ある時期から売り上げが崩れるように落ちていったんです。
今考えればそれはホストという職業に飽きが来た時から。
もっと言うと慢心していた時から。
人間不思議なもんですね。
一度東京に出てきたときに出鼻くじかれて一生懸命にやらなきゃ人は付いてこないって分かってたはずなのに。
今考えれば慢心以外の何物でもなかったんですが、その当時はいろんなことを他人のせいにしていた気がします。
そういうのって回ってくるというか、ドンドン悪い方向悪い方向に走っちゃうんですよね。
売掛を何百万と飛ばれたり、荒れていったり、お客さんも離れて行ったりで、生活も苦しくなり、最終最後には寮で新人と一緒に生活するようになってたんですよ。
地獄ですよね~。
店に行けば元売れっ子の気分は抜けずに新人と掃除ですよ。
指名の席もないのでヘルプに回るんですけど「落ちぶれたあいつ」って後ろ指刺されながら仕事してる気分でしたね…。
新規客にもプライドが邪魔してがっつけず。
変な先輩風吹かせて後輩に譲ったり。
結果数字も伸びず。
帰ったら新人と同じ寮で雑魚寝ですよ。
多少のお給料も飛ばれたツケの返済で消えていく。
この頃の僕はホンマに人生の中でもトップクラスに荒んでたと思いますw
そんな僕を見かねて、ボクにグループの地方初出店の話に白羽の矢が立ったんです。
全く環境を変えてみてイチからやってみたらどうかと。
そしてそれを通告したのが僕の友人でした。
まぁ今考えれば言いにくいことを言わせてしまったんだろうなと思います。
そんな彼の言葉もあり、ボクは大阪行きを決意し、大阪の店で代表を任されることになったんです。
だから、ボクって成績が良かったから任命された!とかじゃないんですよ。
ただ、ボクは12年間ほとんどのホスト人生を無遅刻無欠席で通しました。グループとしては400人近いようなグループだったんですが、そこの社長がそれはまぁ切れ者で。
新人の名前から特長まで全てを把握しているような人で。
そんな社長も当然ボクが燻ぶっていることも勤勉には勤めていることも把握してくれていたようで。
ありがたい話ですが、そんな僕に重役を与えてくれたんですね。
最終的には「翔(源氏名)がいなかったら大阪出店は実現不可能だったよ」と言葉をもらって。
嬉しかったですね。
そして代表という立場は本当にボクを大きく成長させてくれた気がします。
立場が人を育てるとよく言いますが。
後輩に掛ける言葉。立ち振る舞い。一挙手一投足。すべてを。
『どう見られているか』を常に考えて行動することは人としてを多きく学ぶ機会になったと思います。
人として。
男として。
ホストとして。
代表として。
ボクは、その意識の先に『人』とは形成されていくのかな、と思ったりします。
コメント