ホストを志してから
- SHOTA ISHIBASHI
- 2019年4月15日
- 読了時間: 4分
その当時のホストクラブは大半がよく言えば体育会系、悪く言えば暴力や圧力で辞めさせない。そんなお店ばかりでした。
でも僕はある程度覚悟のうえでそういった仕事に就くことにしたのであきらめずに頑張ろうと思ったんですね。
入店して半年もたたないうちに店長に昇格して、ついこの前まで先輩だったホストを全員呼び捨てにしました。
若さゆえの意気がりもありましたが、今思えば自分に言い聞かせてたんだと思います。
「舐められたら負け」
入店して数か月の人間が数年やってるホストに「お前俺より仕事できねーんだから黙っとけ」とか普通に言ってましたw
でも、それってある意味自分にプレッシャーですよねw
それをなんとなくで自己暗示掛けてたんだと思います。
ホストというのは「自分」という商品を売っていく営業マンです。
だからこそ自分という商品を常に高く磨いていなければ商品としての価値は無いわけですね。
その「価値」というのはルックスだけではなく、仕事に向かう姿勢、熱量、伝えるワードセンス、いろんなものが複合的に絡み合って価値というものになります。
そこに価値を感じるからこそ人はお金を払う。
ブランド品だってただのマークだけじゃ価値はないですよね。
由緒正しき伝統があり、由来があり、品質があり、それを保証するブランドマークがあるからこそそこに価値を感じる。
そういう「価値」こそが人に求められるものだと思います。
ボクもそんな価値のある存在になるんだと思ってそのころは必死でしたね。
そして段々と顧客も理解者が増え、足を運んでくれる人も多くなり自分の居場所を作ったような感じでいました。
ただやはり自分の中で、井の中の蛙のような気がしていたんですね。
そんな時、系列の東京歌舞伎町のお店がリニューアルするということになったんです。
ボクは迷わず東京行きを決めました。
また、知り合いもいない、街も知らない、新しく一から自分を作る旅です。
不安しかなかったです。
でも、不安よりも今ある現状に居続けることの不安の方が勝りました。
ボクは東京行きを決めました。
何も知らない20歳そこらのクソガキが大舞台でのデビューです。
始めはやはりうまくはいきませんでした。
大阪ではほぼ敵がいないような状態でしたから。
慢心してたんでしょうね。鼻をカツーンと折られた気分でしたね。
「こりゃあいかんなぁ~」と。
イチからしっかりやろうと。
しばらく出ていなかったキャッチにも積極的に出ました。
目的を忘れてキャッチすることが楽しくなっちゃうぐらいにキャッチしました。
キャッチで入れたお客様に「次またキャッチでお客さん連れてくるから、そしたら指名して!」なんて賭け事をやりながらキャッチしたり。
でもそういう時って意地でも連れて行こうと思うんですよねw
まぁ見事に入れてやりましたよ、一日で8組w
最後はもうお客様も拍手してましたw
全然着いてないお客様でもハイタッチして満足して帰ってもらったり。
そういうのもまた「価値」としての提供なのかな~なんて思ったりもします。
熱量ってホントに伝わりますから。その仕事にどれだけの情熱を燃やしているか。
それは自分の一挙手一投足に現れちゃいますよね。
今考えれば売れていくホストは売れているホストと集まって「どうすれば店が良くなるか」を話していました。
お客様とも「誰々をもっと成長させるには」とか「誰々に負けたくない」とか。
常に向上心を持って取り組んでいた気がしますね。
辞めていったホストは辞めていったホストと集まって「どうやったら店を辞めれるか」を話していました。
お客様には「飲みたくないから来て」「今日ミーティング嫌だから同伴して」と。
最初は好きで指名してますから「かわいいな」で済むんですけど。
結果長続きはしません。中見ないので。
人はその人といることで何かしらのエネルギーをもらえたり、成長できる、成長しそうだと思うからこそ価値を感じるもので。
愚痴ばかりを言って行動が伴っていない人間を見ても「かっこいい」とはならないんですよね。
そういうことに気付けたことも、ボクはホストをやっていてよかったなと思える一つの要因ですね。
また長くなってきたんで続きはまた(^_^)
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